ゲームサブスク:料金の仕組みと費用対効果入門
ゲームサブスクリプション(以下、ゲームサブスク)に興味をお持ちいただき、ありがとうございます。最近よく耳にするけれど、具体的に「いくらかかるの?」や「昔みたいにソフトを買うのと比べてどうなの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
このページでは、ゲームサブスクの料金の基本的な仕組みや、昔ながらのゲーム購入との違い、そしてどれくらい「お得」になり得るのか、費用対効果について分かりやすくご説明いたします。
ゲームサブスクの料金の基本的な仕組み
ゲームサブスクの最大の特徴は、「定額制」であることです。
- 定額制(サブスクリプション)とは: 毎月または毎年、あらかじめ決められた一定の料金を支払うことで、その期間中、提供されている様々なゲームを自由にプレイできる仕組みです。例えるなら、動画配信サービスや音楽配信サービスのゲーム版のようなものとお考えください。
昔、ゲームをプレイされていた方にとっては、ゲームソフトを一つずつ購入していた時代との違いに戸惑うかもしれません。パッケージ版のソフトやダウンロード版のソフトは、「買い切り」でした。一度購入すれば、そのソフトはあなたの「所有物」となり、好きな時に好きなだけプレイできました。
一方、ゲームサブスクは「利用権」を購入するイメージです。料金を支払っている期間だけ、そのサービスが提供するゲームライブラリ(カタログと呼ばれることもあります)の中から好きなゲームを選んでプレイできます。料金の支払いをやめると、原則としてゲームはプレイできなくなります。
昔のゲーム購入とサブスクの費用を比較
昔のゲーム購入とゲームサブスクでは、費用のかかり方が大きく異なります。
昔のゲーム購入(パッケージ版・ダウンロード版)
- ソフト1本あたり、新品で5,000円~8,000円、あるいはそれ以上の費用がかかるのが一般的でした。
- 新しいゲームをプレイしたい場合は、その都度、ソフトの購入費用が発生します。
- 年間で複数のゲームを購入すると、費用は購入本数に応じて増えていきます。例えば、年間5本新作ソフトを購入すると、3万円~4万円程度の費用がかかることも珍しくありませんでした。
ゲームサブスク
- 月額数百円から千数百円程度の定額料金がかかります。
- 料金プランによっては、年間払いや複数年払いにすることで、月あたりの費用が割安になる場合もあります。
- 定額料金を支払っている期間内であれば、サービスが提供する数十本、場合によっては数百本ものゲームを追加費用なしでプレイできます。
つまり、昔のゲーム購入が「買ったゲームの合計金額」だったのに対し、ゲームサブスクは「利用期間に応じた定額料金」なのです。
ゲームサブスクで費用対効果を考えるポイント
ゲームサブスクが「お得かどうか」は、個人のゲームの遊び方によって変わります。費用対効果を考える上で、以下のポイントにご注目ください。
1. どれくらいゲームをプレイするか
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月に1本以上、様々なゲームをプレイする場合: 多くのゲームサブスクの月額料金は、新作ゲームソフト1本の価格よりもはるかに安価です。例えば、月額1,000円のサービスで、毎月1本以上、定価数千円するゲームをプレイするのであれば、個別に購入するよりも費用を大幅に抑えられる可能性があります。様々なジャンルのゲームを気軽に試せるため、「ちょっと気になるけど買うほどではないかな…」と思っていたゲームに出会える機会も増えます。
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特定のゲームだけをじっくり遊びたい、プレイする頻度が低い場合: 特定の数本のゲームだけを繰り返し遊びたい、あるいは月に1本もゲームをプレイしないという場合は、サブスクの定額料金が割高に感じられるかもしれません。このような場合は、必要なソフトだけを個別に購入する方が経済的な場合もあります。
2. プレイしたいゲームがサービスに含まれているか
興味のあるゲームや、昔プレイしてもう一度遊びたい名作などが、利用を検討しているゲームサブスクのカタログに含まれているかどうかは重要な判断基準です。サブスクに含まれているゲームはサービスによって異なりますので、事前に確認することをおすすめします。
3. その他の特典を活用するか
多くのゲームサブスクサービスは、ゲームのプレイ権だけでなく、様々な特典を提供しています。
- オンラインマルチプレイ: インターネットを通じて他のプレイヤーと一緒にゲームをプレイするために必要なサービスが含まれている場合があります。(※一部のサービスでは別途必要になる場合もあります。)
- 加入者限定の割引: ゲームソフトや追加コンテンツ(DLC:ダウンロードコンテンツ)などを割引価格で購入できる特典があるサービスが多いです。
- フリープレイ/タイトル提供: 毎月特定のゲームが追加料金なしで提供され、サブスク加入期間中であればライブラリに追加してプレイできるサービスもあります。
- クラウドゲーミング: 高性能なPCやゲーム機がなくても、インターネットを通じてゲームをストリーミングでプレイできる機能が含まれるプランもあります。(クラウドゲーミングは、ゲームデータを手元の機器にダウンロードするのではなく、サービス提供側のサーバーで処理された映像を受け取って操作する技術です。)
これらの特典を頻繁に利用するのであれば、サブスクの料金に含まれる価値はさらに高まります。
主要なゲームサブスクサービスの料金体系例
代表的なゲームサブスクサービスには、以下のようなものがあります。(※料金は執筆時点の一般的なものです。最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。)
| サービス名 | 主な提供プラットフォーム | 月額料金の目安 | 主な特徴 | | :------------------------- | :----------------------- | :----------------- | :----------------------------------------------------------------------- | | Xbox Game Pass | Xbox, PC, クラウド | 850円〜1,800円程度 | 数百本のゲームカタログ、新作タイトルが発売初日からプレイ可能、クラウドゲーミング対応プランあり | | PlayStation Plus | PlayStation | 850円〜1,550円程度 | フリープレイ、オンラインマルチプレイ、ゲームカタログ(プランによる)、クラシックカタログ(プランによる) | | Nintendo Switch Online | Nintendo Switch | 300円〜700円程度 | オンラインプレイ、ファミコン/スーパーファミコンなどのクラシックゲーム、セーブデータお預かり | | Ubisoft+ | PC | 1,800円程度〜 | Ubisoftの新作含むゲームが遊び放題 | | Apple Arcade | iPhone, iPad, Mac, Apple TV | 600円程度 | App Storeの高品質なゲームが広告・追加課金なしで遊び放題 |
ご覧の通り、サービスによって料金や提供内容が大きく異なります。ご自身の持っているゲーム機や、プレイしたいゲームの種類に合わせてサービスを選ぶことが重要です。
料金以外に確認しておきたいこと
ゲームサブスクの料金を支払う前に、以下の点も確認しておくことをおすすめします。
- 利用可能なデバイス: お持ちのPCやゲーム機、スマートフォンなどで利用できるサービスか確認しましょう。
- 推奨される通信環境: 特にクラウドゲーミングを利用する場合や、大容量のゲームをダウンロードする場合は、安定した高速なインターネット回線が必要です。サービスによっては推奨される回線速度が提示されています。
- 支払い方法: クレジットカード、キャリア決済、コンビニ払いなど、どのような支払い方法に対応しているか確認しましょう。
- 無料トライアルやキャンペーン: 初めての方向けに無料でお試しできる期間や、お得なキャンペーンが実施されていることがあります。これらを活用することで、実際にサービスの内容や料金体系が自分に合っているかを確認できます。
まとめ
ゲームサブスクの料金体系は、昔のゲーム購入とは異なる「定額制」です。月額料金を支払うことで、たくさんのゲームを自由にプレイできるのが大きなメリットです。
ゲームを頻繁にプレイする方や、様々なゲームを試してみたい方にとっては、個別にゲームソフトを購入するよりも費用を抑えられ、非常に費用対効果が高いサービスと言えるでしょう。一方、特定のゲームだけを少しプレイしたいという方には、個別の購入が向いている場合もあります。
まずは気になるサービスが提供しているゲームのラインナップや、無料トライアルの有無を確認し、ご自身のゲームライフに合ったサービスかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。料金の仕組みをしっかりと理解し、賢くゲームサブスクを活用しましょう。